こんにちは。
暫らくご無沙汰しております。
あまりの猛暑に釣りに出掛ける気も起りませんでした・・・。
どうもすいませんです。 m(_ _)m
各地で連日のように35℃を超えて体温並みの気温ですが、もっと南の国へ行けば更に暑いのです。
何年か前に当時勤めていた会社にベトナムからの研修生が来ていましたが、僕らが茹だるような蒸し暑い職場にもかかわらず「日本の夏とても涼しい」なんて言っていました・・・。
なんでも彼らが言っていたのは、ベトナムの夏は41~42℃位あるようで日本の暑さはとても凌ぎ易いと話されていました(凄いな)
世の中広いですから、日本の暑さのレベルも灼熱の国へ行けば許容範囲なのかもしれませんね!?
さて、今回は「海水温の話」です。
何時ものうんちく話ですから、つまんない話ではありますので適当にスルーしちゃってくださいね。
日本は海に囲まれた国ですから、いろんな海があるわけですよね。
日本海、太平洋、東シナ海、オホーツク海、そして僕が住む地域の瀬戸内海などがあげられます。
僕にとって閉鎖性の強い(出入口の狭い)海である瀬戸内海は、言わば特別な環境の海であると感じています。
島や半島に閉ざされ海峡を抜ける潮流は複雑かつ急流であるのがこの瀬戸内海の特徴です。
しかし、上記の地図で示す瀬戸内海の中央にある「 燧 灘 」と呼ばれる、香川、愛媛、岡山、広島に挟まれたこの海域はとくに閉鎖的で流れを遮る島々の付近を除けば流れも比較的穏やかな海になっています。
閉鎖性が強い為に、先日の大雨により流れ出した浮遊物が現在もまだ同じような海域を漂っている始末です。
外洋に比べれば水深はとても浅く、潮の動きも少ないために気温の変化が海水温にも直ぐに影響されることになるのです。
以前からこの海では冬場から夏場にかけては6℃~29℃付近で推移していましたが、温暖化や近年の猛暑によって8℃~31℃付近で推移することがとても多くなっているようです。
今年はこの猛暑で既に海水温が31℃を一時的ではありますが超えたみたいです・・・。
言わば、この海が熱しやすく冷めやすい海だと言うことなのです。
海水温なんか気にして釣りしてる人がいるのかと言われてしまいそうですが、僕は基本的に魚の行動は潮回りではなくこの海水温によって起こるものだと考えています。
例えば、「乗っ込み」や「落ち」と呼ばれる魚の行動も、この海水温の変化によって魚が行動を開始していると思うからです。
季節が移りゆくと気温には変化が起こり始め、少し遅れながらも徐々に海水温にも変化があらわれます。
要は夏場の暑さや冬場の寒さのピークを迎えて徐々に海水温が後退する変化があらわれるタイミングがあるのです!
海の中にも季節が変わるタイミングがあり、それを感じた魚たちが乗っ込みや落ちを意識して行動を開始していると考えるのです。
先程も言ったように燧灘はその海水温の変動が早々と起こりやすく、その周辺の海域には温度差の違う海水が流れやすくなります。
外洋に比べてこの周辺に生息する魚には、比較的に乗っ込み期や落ちの時期が早い傾向が見てとれるのです。
この周辺地域の4月と言えば「キスの乗っ込み」、10月と言えば「カレイの乗っ込み」の確実な始まりでもあるからです。
僕の住む香川県西部の三豊市周辺やお隣の愛媛県今治市などでは、とくにそれらの時期の影響が大きく、乗っ込み期の開幕がとても早いと感じますし、おそらく岡山県や広島県でも同じような傾向があるのではないでしょうか!?
ただし始まりが他の地域に比べて早い分だけ、終わるタイミングもどこよりも早いとも感じます!
海水温度の上下差が著しい燧灘が近くに存在するために、冬場や夏場のピーク時には魚が釣れ難い傾向があり、真冬と真夏には良型の食いが一服する感じは否めません。
どの魚を狙うにしても良型だけを追うならば、海水温の上がり切った今現在や反対の厳寒期には難しい釣り時期であるとも思います。
他所の地域でのカレイの開幕が晩秋から冬場を通して春までであるのに対し、瀬戸内中央では秋口から晩秋までが主な乗っ込み期にあたり冬場はほぼシーズンオフになってしまいます。
春になれば花見ガレイと呼ばれる季節であっても、この地域では水温上昇でキスの乗っ込み期前にあたりカレイ狙いどころではないといったのが本音でしょうか。
では、なぜこの地域でカレイシーズンの始まりがそんなに早いのでしょうか?
上記の地図は香川県西部の荘内半島付近のものです。
三豊市詫間町から近くの多度津町の島部のものであり、県下でもカレイシーズン開幕がとても早い地域にあたります。
半島西側が燧灘で、半島を東へ移ると備後灘と呼ばれる香川県と岡山県に挟まれた海域になります。
紹介している燧灘にはカレイの生息は少なく狙いの対象ポイントにはなり得ず、荘内半島東側が主なポイントにあたります。
秋の気配が強まり気温が下がりだせば当然のように西側の燧灘が先行して海水温が下がります。
満ち潮時は燧灘から冷えた海水が荘内半島先を超え東へ流れるため、詫間町の粟島や多度津町の高見島付近から水温が下がり始めます。
とくに沖にある多度津町の高見島付近は最初に流れがぶつかりやすく、どこよりも早いのが特徴でしょうか。
あくまで僕の仮説ですから当てにはなりませんがね・・・。
秋口のカレイが何故か満ち潮時に釣れやすいのは、少し冷えた海水が活性を上げているとも考えられます。
逆のシーズンであるシロギスに於いてもほぼ同じようなことがあるのではないかと考えています。
お隣の愛媛県の今治市でも燧灘を挟み対称的になるため、同じような傾向があるのだと推測できます。
近年の温暖化では、厳寒期に阻んでいた燧灘の海水温上昇もあり大型マダイが越冬し移動やすくなり、愛媛県側から移ってきているのか、近年よく釣れるようになったと囁かれています。
ただし、一昔前にいなかった大型エイやナポレオフィッシュにウミケムシの分布も悲惨な状況になりつつありますが・・・。
最近ではカワハギの数が増えつつあり、いつか大型が釣れることを少し期待していますがね。
特別な海がもたらす海水温の変化で、開幕が早まる恩恵を感じられるのはここ瀬戸内海中央付近ならではの特徴ではないでしょうか。
時には海水温の変化を気にしながら釣りをしてみてください。
人間が暑く厳しい時期には、きっと海の中の魚も同じ気持ちでいるんじゃないでしょうかね??