ラインの使い分け方とは

 

 


 

 ここでは投げ釣りに使われる道糸についてふれてみたいと思います。

現在の使用されるライン

 

道糸には大きく分けて三つあり、ナイロンラインポリエチレライン(PE)フロロカーボンラインがあります。

これらには一長一短があり、状況に応じて使い分けるのが賢い選択だと僕は考えます!

 

ここでは思いあたるそれらの長所と短所を書き出しました。

※一部、人によっては見解が異なるかもしれませんのでご了承下さい

 

   

ナイロンライン

 
長所
  • 価格的に値段が手頃である
  • ラインによる伸びがあり魚の食い込みが良い
  • ラインテンションを掛けやすく硬い竿でも魚をバラしにくい
  • 摩擦が少ない分だけ同じ太さなら一番飛距離が出る
  • 摩擦が少ない分だけ流れ藻等の浮遊物が掛かりにくい
  • 伸びによって流れの中でも錘が浮きにくい
  • 根ズレに対してもやや切れにくい
  • 強風や流れの中でも比較的に安定して使用できる

 

短所
  • 伸びがある分だけ感度が悪く時間差もある
  • 伸びを考慮して強めにアワセ入れる必要がある
  • 他の種類のラインに比べて引っ張り強度がやや劣る
  • 紫外線や塩等に弱く劣化が早い
  • 巻癖が付きやすく、螺旋状に放出される為に竿を叩きやすい
  • 強度を保つ為に少し太目を使用するために結果飛距離が出ない
  • 根掛かり時にラインが伸びて切りにくい

 

最も一般的で古くから使用され、多くの釣り人に使用される万能ラインです!

 

PEライン

 
 
長所
  • 伸びが少ない分だけ感度がとても良い
  • 感度が良いので底の状況を把握しやすい
  • 多少弛んでいてもアタリは伝えやすい
  • 緩めたラインの動きで魚の動きを見極めやすい
  • ラインの浮力を利用して藻の奥を攻められる
  • 他の種類のラインに比べて太さ的に引っ張り強度がある
  • 巻癖が付きにくく軽い分だけ糸が出やすい
  • ラインにコシがないのでスプールから広がらずに放出される
  • 強度があるので少し細目を使用できる為に飛距離も出せる
  • 細いラインを使用することで若干の風や流れに対応できる
  • 紫外線等にも強く耐久性が高い

 

短所
  • 値段がとても高価である
  • ラインによる伸びがないため魚の食い込みが悪い
  • 摩擦が多い分だけ同じ太さなら飛距離が出ない
  • 浮力が強く、摩擦が多い分だけ流れ藻等が頻繁に引っ掛かる
  • 浮きやすいので船の通る場所では工夫が必要になる
  • 浮きやすいので波気があると糸が張れない
  • 伸びが少ない値ので流れの中で錘が浮きやすく流されやすい
  • 伸びが少ないのでやり取り時にラインテンションをかけにくい
  • 伸びが少ないのでハリスに負担が集中して切れやすい
  • 根ズレ等に対する摩擦熱で切れやすい
  • 張った状態で傷が付くと意外にもろく切れやすい
  • 岩肌や牡蠣等に絡みつきやすい
  • バックラッシュ時に激しく絡みが出て修正が難しい

 

現在の主流になりつつあるラインで、これに出現により釣り味はとくに面白みを増したが、けっして万能でもないようです。

 

フロロカーボンライン

 

長所
  • 根ズレに対しても切れにくい
  • 伸びがナイロン比べては少ないのでアタリも若干取りやすい
  • 吸水性が少なく劣化しにくい為に耐久性がある
  • 沈みやすいので波のある日は釣りやすい
  • 船の出入りの多い所では釣りやすい

 

短所
  • 価格的にやや高価である
  • 沈みやすいのでカケアガリに仕掛けを取られやすい
  • 沈みやすいので必然的に根掛かりも多くなる
  • 投げ釣り用のラインとしてあまり出回っていない
  • コシがありスプールの馴染みが悪くてトラブルになりやすい

 

投げ釣り用としては一部のメーカーからしか販売されておらず、ナイロンとPEの長所を中間的に合わせ持った物です。

 

その他のライン

 

この他にも専用品 ではないが、エチレンラインという物も存在するようです。

フロロカーボンよりも、よりPEラインに近い特性があると聞きます。

 

上記の一長一短を知りながら、状況に合わせてラインを使い分けるのが良い選択だと思います。

 

   

ラインと竿の組み合わせ

 

投げ釣りには仕掛けを遠くへ飛ばす必要性もあるため、硬い竿と細い道糸を併用することも多いものです。

そのため大型魚を掛けると必然的にラインに負荷が掛かり、取り込みが困難な状況も少なくありません。

とくに35号以上の硬調竿とPEラインだけの組合せにおいては、大型魚の引きに対応させながらやり取りするのが極めて難しくなります。

余程のことでは切れない太さのラインでのぞむべきかもしれませんね。

 

力糸をナイロンにする等の工夫は必要で、他の釣りで言うショックリーダー的な物も必用ではないでしょうか。

ただ、これもPEラインと力糸の結び目が切れることも多く、やや難題でもあったりします。

 

あえて伸びるラインを使用

 

潮の流れの速い場所においては一般的に細いPEラインを使用するとありますが、個人的見解においては正しいとは言い切れません。

確かにPEラインも細ければ抵抗は若干減らせられるでしょう。

しかし、PEラインには強い浮力があり流れの中で沈めることも困難で、かつ伸びがないために錘が流れると頻繁に浮き上がり、かえって流れやすくなる印象も否めません!

 

以前、PE2号とナイロン5号で急流の中で流しながら釣りをしたことがありましたが、とてもいい勝負でした。

投げた距離と水深による糸の抵抗で、流れ方が同一条件とは一概に言えませんが、ナイロンが太いながらも流れの中で粘るようにも若干感じられました。

これは錘が流れながらもナイロンラインが程よく伸びて、ある程度伸びるまでは錘が底に付いて上手く抵抗していて耐えているとも思えるものでした!

 

アタリが取り難いナイロンラインであっても、流れる中での変化に気付けば釣れないこともないものです。

今でこそ当たり前のPEライン使用ですが、かつてはナイロンラインで釣りをしてきた訳ですから。

 

中にはどんな状況であろうと絶対にPE派だと言う方もおられるのも確かです。

キスの引き釣りにおいてはPEラインによるパフォーマンスは最強でしょう!

竿によっては若干食い込みに影響しますが。

一度でもあの感度を体感したなら、ナイロンライン使用には戻れないのかもしれません。

 

アタリを取りやすいと警戒される

 

感度が良いということは、釣る魚側には違和感があり食いを悪くさせているという事実も知る必要があると考えます。

置き竿ならば、よりドラグを併用して抵抗なく餌を食わすことも考えなければなりません。

 

大型魚狙いならば、餌を食えばそれなりに大きなアタリも出ますし、スピード感あるやり取りでもラインテンション掛けられればナイロンラインの方が無難であるとも思います。

餌取りの極小さなアタリまで見極めたいのなら仕方ありません。

 

僕的には、フィールドテスターの方が上手く使い分けておられることにはとても好感が持てますし、ナイロンラインの特性を把握して置き竿での大物釣りをしている姿には感心させられます!

今も昔も大物釣り師には必要不可欠なナイロンラインでもあると言えるでしょう。

 

臨機応変にラインの使い分けができてこその釣りではないでしょうか。