クロダイ釣り
今回は投げ釣りによるクロダイの狙い方について説明していきます。
クロダイは魚としてもっとも身近な存在であり、様々な釣り方が存在しています。
フカセ釣りなどを拝見すればとても難しく思えてしまいますが、投げ釣りにおいてはとても簡単に釣れてしまいます!
時期的なポイントさえ把握していれば回遊を待つだけで、難しいものではありません。
クロダイとは
クロダイはタイ科の仲間であり、釣り方を問わなければ国内で一番の対象とされる人気魚です。
関西地方では「チヌ」と呼ばれ、身近でも釣れる親しみやすい対象魚の一つです。
ここ香川県の西讃地方においてはとても魚影が濃く、またポイントを選べば周年を通して狙える魚種の一つです!
主に釣れる種類は「クロダイ」と「キチヌ」の二種類ですが、川のないところではクロダイがほとんどです。
近似種としてマダイがありますが、生息ポイントに違いがあり似ているようで別物と考えた方が良いでしょう。
クロダイは大きなもののほとんどが雌ですが、マダイは大きなものが雄であり、クロダイの大きさとは比べられないほどの大きさに成長します。
クロダイのシーズン
基本的には3月中頃の海水温の上昇とともに乗っ込み期が始まり、5月全般にかけて産卵期に入るようです。
この時期は良型の40㎝級が多く、50㎝を超える”年無し”と呼ばれる大型サイズが釣れやすいシーズンになります!
産卵をひかえて警戒心がとても高まる時期なので、夜釣りの方がより大型を狙いやすくなります。
その後の6月の梅雨頃から12月の晩秋にかけては小型も多く、数釣りが楽しめる好シーズンで、場所を選べば確実に釣れる極めて期待を裏切らないターゲットです!
また、年を越して厳寒期に入ると35㎝以下の小型のサイズは沖へ落ちて、1~3月頃は数は出ないものの35~50㎝近いものが釣れます!
越冬する大型の”居着き”と呼ばれる個体は厳寒期であっても、餌の多い遠浅の砂浜などを昼夜をとわずに貪欲に餌を求めて回遊しています!
大型ほど低水温にもとても強く、海水温が6℃位の西風の強まる大シケ時でも釣れるほどです!
冬場の乗っ込み期の始まる前までの”寒チヌ”と呼ばれる個体は、一年を通しても一番食べて美味しい時期だと感じます。
クロダイのポイント
さて、僕が通うポイントは乗っ込み期は三豊市詫間町の楠浜か大浜漁港が多く、とくに楠浜西寄りの岩場手前の大岩横で50㎝オーバーを過去に数匹仕留めています!
大浜漁港は沖一文字を付近を回遊する個体も多くて、やや遠投を必要とします。
サイズ的には40㎝級がほとんどですが比較的数は出にくく、卵を抱えている個体が多いため引きは弱く、ハリスは6号もあれば十分です!
5月後半より乗っ込み期も終盤に近付くと、小型もまじり数も出やすいのですが、産卵の終わった個体が体力回復のため活発に餌を追うため一番釣りやすい時期だと思います!!
この時期は各ポイントで釣れますが、僕が主に通うのは詫間町名部戸の外波止です!
ほとんど砂地ですが、北よりは岩場が続いていて藻が茂っておりとても餌取りが多い所です。
5月後半からが狙い目ですが、日中の釣りは餌取りであるクサフグの猛攻に耐えながらの釣りになります。
クロダイの釣り方
クロダイ釣りでは主に満ち潮を全般に狙いますが、ポイントを絞って投げ返すとフグが寄ってしまうので、少しづつポイントを変えて投げ返すのが良いと思います。
潮の流れの緩い場所では着水音に気を付けたいので、錘は軽めの物で遠投出来る25~27号を使用しています!
砂地では遠投に分があることも多いので、餌のつけ方にもとても注意します。
竿は27~30号の軟調竿が食い込みも良く、道糸はナイロン3~4号でハリスは5~6号を1ヒロ以上にしてドラグフリーでアタリを待ちます!
ハリスは5号位ならば気にせず食って来るようですが、黒い針を使用した方がより警戒され難いと感じています。
掛かれば糸が一気に引き出されて、アタリは明解なのでナイロンで十分ですし、暴れやすい魚なので竿の弾力と糸の伸びを使った方がラインテンションをかけやすくバラシが少ないでしょう!
魚が掛かると藻のある方へ走りやすいので上手く遊動する必要があり、やり取りがとても面白いものです!
ひとたびクロダイの回遊が来ると餌取りも警戒して散りやすいのか、餌が残りやすくなり気配が徐々に感じられます。
時合いが来ると連発も多くて20~45㎝までは十分に狙えます!
僕の好む名部戸地区での釣期は7月頃まで釣れ続き、夏場でも40㎝後半の大型が出やすいポイントです!
潮によっては5匹以上の釣果に恵まれたりしますが、満潮時は往来しづらく、餌をとても多く消費するのが難点です
・・・!?
砂地を回遊する個体は銀色で黒い縦じま模様が出ていますが、意外にも色の濃さを変える機能を持っているようで、日陰で泳がしておくと真っ黒に変色します!
クロダイの餌
クロダイの餌はボケ(スナモグリ、テジロ)かアナジャコ(ゲラ、カメジャコ)が良くて食いも抜群ですが、100~300匹位消費するので自分で掘って準備しています!
値段の高いユムシもフグの猛攻には数分しか持たず、コストが掛かり過ぎるのでめったに使用しません。
餌取りの猛攻対策としてはカニを使用する方が良くて、釣り場でも簡単にたくさん用意出来ますし、大きい物を使えばユムシ並には耐久性もあり大型クロダイ狙いにとても適しています!
その他の餌として硬くて強い「ヤドカリ」もあったのですが、天然記念物のため取ってはいけないとのことで却下いたします。
マテ貝もエサ取りに強く有効な餌となっています。
寒チヌ釣り
年明け1月からの厳寒期では、香川県観音寺市の柞田町から豊浜町にかけての干拓地で主に釣りをしています。
この時期は寒いので日中での釣りをしますが、大風の大シケ時に竿を出す事も多いので防寒対策は必須事項です!
一見、何の変哲もない遠浅の砂地で干潮時は手前も干上がりますが、砂地にはボケ(スナモグリ)などの餌も多くクロダイが餌を求めて潮が上がると回遊してきます!
寒チヌのポイントと釣り方
干拓地でのポイントは、数㎞にわたって広大にテトラ帯が続く砂浜が広がっており絞りづらいですが、 砂浜にはヨブと呼ばれる凸みが存在しておりその際の凹みに餌が溜りやすくなっています!
とにかく潮の満ち方を見て、潮の流れから満ち上がりやすい凹みを確認して竿を出すのが良いと思います!
釣り方は夏場と何ら変わりありませんが、比較的に餌取りが少なくのんびりと竿を出せる時期で、餌も多くは必要としないのがとても良いですよ。
しかし、この時期は大型のスズキ40~70㎝級も回遊しており、クロダイ以上に引きが力強いので、ハリスは6~8号位でのぞまれる方が宜しいかと思われます!
この時期なら餌取りも少ないのでユムシ餌でも10分位は持つと思います。
ボケ餌ならチヌ針6号、アナジャコかカニ餌ならチヌ針7号、ユムシ餌ならチヌ針8号位を使用しています!
厳寒期では釣れない事も多いものですが、一発大物を期待出来るのでがんばる価値は十分にあると思います。
波の高い日ほどクロダイが多く、穏やかな凪の日ほどスズキが釣れる傾向があるように思います。
釣り物の少ない厳寒期に釣りをするなら、クロダイ釣りがベストではないかと考えます。
クロダイを美味しく食べるには
最後にこのクロダイという魚はマダイには似ていますが、少し血が生臭くて魚のランクが下がります!
釣った後は直ぐにエラの中の両側の赤い部分に切れ目を入れて、海水の入ったバケツなどにつけて数分間血抜きを行いましょう!
※尾びれの付根を刺す方もいますが、深く切り込み魚を折り曲げないと血は出難いので難しいものです。
水が赤く染まって魚体が白っぽくなったら血抜きはOKです。
直ぐに目の後ろ2~3㎝ほどの部分を刃物で刺して絞め、ヒレが開いて痙攣したら完璧で硬直しないので鮮度が保てます!
「チヌのチヌキ・・・」(笑)
これで生臭いにおいもおさまり、かなり美味しく食べられますのでぜひ試してみて下さいね。