何故大型キスは減少しているのか
こんにちは。
先週に続き今週も用事があり出撃ができそうにありません。
近年は開幕からさえないキス釣りが続いています・・・。
そこで今回はマイポイントでのシロギスが年々釣れなくなる原因を考えてみたいと思います。
地元以外の方にはあまり興味のない話かもしれないので、適当にスルーして下さいね。
僕がここ10年ほどキス釣りに通っているポイントは主に2つの地域です。
香川県西部の荘内半島でもごく一部のポイントに限られます。
詫間町高谷から新浜にかけてのエリアと、詫間町船越から伊砂子までの船越湾と呼ばれるエリアがほとんどです。
詫間町新浜周辺
詫間町伊砂子周辺
このブログでお馴染みのポイントですから言うまでもないかもしれませんね。
かれこれ15年近くは通っているのですが、クラブを辞めた後のここ10年ほどからは、夏場を含む半年ほどの期間にはほぼキス釣りだけに専念することが多くなりました!
年配の釣り師を見て、多くの「投げ師はキス釣りに終わる」ことを悟ったからかもしれませんね。
投げ釣りはいろんな魚を狙うのも魅力の一つですが、広く浅く関わるよりはシロギスと言う魚だけをターゲットに追求するキャスターに魅せられたこともあるかもしれません。
2008年頃だったと思うのですが、釣り人の少ないポイントを開拓しようと考えて、今のマイポイントであるフグ巣の浜(戸野埼の浜)へたどり尽きました!
当時、知り合いの話で聞いてはいたのですが、ここへ行けば黒い大群?に出会うとか・・・何のこっちゃと!?
聞けば、無数のフナムシの群れが異常に多く、その光景が黒く見えたらしいのですが(笑)
ちょうどキス釣りシーズンもややピークも過ぎた暑い7月頃に通い始め、釣行毎に大型のキスが混じって釣れていたのです。
当時も下げ潮時を狙っていたのですが、今現在に比べれば良型~大型の割合は高く、小型の数がとても少なかったと思い出します。
中でも記憶しているのは、いつ通っても釣果は限りなく少なく、小型も含めて10匹に届くかと言った程度の釣りがほとんどでした。
やや小型の17~18㎝級も数匹混じってはいたのですが、通えば高確率で23~28㎝級に4~6匹ほどは出会えるような、正に型狙い専門のポイントでした。
通い始めた初年はそんな釣果が猛暑の厳しい8月であっても関係なく釣れ続いていたのです。
このポイントの特徴としては、ゴロ石の混じる砂浜であり手前から20~30mは大きな石が無数に散らばり、その奥の砂地との境に藻が生え茂っていました。
釣れるパターンのほとんどは、沖の砂地から手前の藻場に近づくゾーンが大半で、当然クサフグも好むポイントで針を取られることがとても多かったように思います。
干潮前後のタイミングで圧倒的に良型に出会うことが多く、干底での潮返しの一波が来ると手前は濁りが出やすく藻が浮いて釣りにくい時間帯であったことも確かです!
今でも干潮時付近に良型が出やすいことを考えれば、餌となる物の何か?が干潮時に反応して現れやすいのではないかと考えられます。
ポイントは極めて近いので、やがては遠投用の錘を使わなくなり現在の20号の軽量錘を使うスタイルが確立されていきました。
その年はそんな釣果が秋頃までは続いていたと思います。
翌年の梅雨前の時期に通い初めて、試しに西の岩場で竿を出した日に愛媛からこのポイントへ通う釣り師に出会いました。
その方は藻場付近でアオリイカを狙ったり、キスを狙ったりと、潮位によって釣り分けておられました。
当然のようにルアーロッドで釣りをされていましたが、遠投せずとも良型が共に良く釣れていたのを覚えています。
しかし、そんな釣りにも徐々に陰りが見え始め次第に釣果が衰えて行きました。
数年ほどはたまに見かけていた釣り人も、釣果の減少とともにやがて来なくなりました。
現在ではその良型の釣れる頻度は極めて減少し、小型化に伴って小ギスの数だけが増えてきています。
型物の存在が極端に減ってきているのは、まず第一の要因に以前あった砂地との境の藻場が急激に縮小したことが関係していると思われます。
これらは近年の猛暑による高水温で藻が枯れたのではないかと思っています。
これはもう一つのポイントで似た環境でもある、船越湾の伊砂子地区にも当てはまります。
その他の原因として、この小場所で徹底的に釣った自分の影響も少なからず考えられるのではないかと思うのです!?
23㎝以上の良型のほとんどが抱卵した雌の個体であり、それらを限られた小場所で集中的に釣っていたことが懸念されます。
多くの魚では基本的に大きくなるのは雌であり、成熟する成長過程も雄に比べて速い傾向があります。
一部の大型魚(ベラ科を除いてスズキやマゴチ等)は大きくなるにつれて雄から雌へ転換して種を残す仕組みになっていますが、大半の魚は雌が大きくなり長く生き残ります。
ものの本によれば、多くの魚は生まれた場所を離れず帰って来るとも書かれています。
ただし、成長した雄の個体は種の近親交配を避けるために生まれた故郷である場所を離れて旅立っていくのではないかと思います。
人間以外の動物に於いては、基本的に雄は単独で群れを出て縄張りを変える習性が見られます。
そう考えれば、シロギスも大きくなる雌の個体は同じポイントに残りやすいとも考えられるのではないでしょうか?
以前、岩場などにある大きな水溜まりに様々なサイズのキスを泳がせて観察したことがありました。
最初は単独で遊泳しているものの、数が増えるにつれて小型のキスはより大きなキスに寄り添うように不思議と群れを成していきました。
より小型はさらにその後ろへと列を成すように、まるで飛行機の編隊を組んだかのように泳いでいました。
このキスの習性を観察すれば群れの先頭にいるのは大きめの魚体であり、最初に餌にアタックしてくるものの大半が群れの中でも大きいサイズであることが予想できます。
この事から大きなサイズのシロギスほど必然的に最初に釣られてしまう傾向があるということです!
良型キス狙いに絞っているため、より大きな雌の個体を小場所で徹底的に釣ったとしたなら、当然そこに居付く良型キスの数が減りその場所で種を残すべきサイズが減少して新たなキスが育っていかない負の連鎖が起こっていてもおかしくないのではないでしょうか?
けっして僕程度の技量で釣り過ぎた感じはしませんが、上記のマイポイントで25㎝以上のサイズを通算では3桁に近い位は釣っているかもしれません・・・。
クラブを退会して型物魚を狙う必要性がなくなったら、何故かランク魚がたくさん釣れるとの噂通りでした(笑)
魚拓に収める必要性がなくなったので詳しく調べてませんが、これまでにこんな小場所一帯だけで28~30㎝近いBランクサイズだけでも14匹は仕留められていますので、それ以下の25~28㎝までを含めればその何倍以上もの数は確実に釣ったとも言えるものです。
ただ、いずれのポイントも初年を境に年々と減少する傾向をみれば、自らが釣る影響も少なからずあるとも言えるのかもしれませんね。
(かと言ってキス釣りはやめられませんけれども・・・)
次に考えられる原因として、越冬ギスを釣る人が増えたことです。
ここ10数年ほど前には、冬場の裏シーズンに荘内半島の一部の地域で良型から大型の越冬ギスが多く仕留められていました!
海図で見る限り、箱崎から新田の沖にかけての海域では水深が40m弱ほどもある深場が近くに存在しています。
シロギスも本来冬場は深場で過ごすものですが、厳寒期であっても大型ほど生命維持に必要な数少ない餌を求めてより岸に近い場所まで回遊しているのではないかと思います。
盛期の夏場には個々のポイントで回遊するキスも、越冬時期に過ごすポイントが限られていて、その居場所が特定されてしまったために集中的に大きなサイズが釣られてしまったとも考えられます・・・。
裏シーズンに一網打尽にされたのも要因の一つでしょうか。
近年のシーズン中では明らかに大型キスの釣れる数が急激に減少してきたことには間違いありません!
以前には大型キス特有の波長のとても長いアタリが日に何度か訪れていましたが、近年は極めて稀です。
重い35号錘の固定天秤もろとも一気に引っ手繰っていく凄まじいアタリに、起こしていた竿を倒しても尚引き込まれていくラインに驚かされていましたが、そんな激アタリにも遭遇しにくくなりました。
また、近年では著しく大型青物魚が増えて回遊魚をことごとく餌にしている可能性も否めません。
年末にかけて小型魚の群れを追うm級のブリやハマチが岸から数十mほどのところまで来て回遊していますし、座布団級を遥かに超えるサイズのヒラメの存在なども耳にしています・・・。
シロギスの天敵であるエソであっても、青物に食われてしまうと聞きますのでその勢いは相当なものです。
10年一昔とは言え、徐々に変わり行く海の生態系に少し悲しくなる現実がありとても残念です。
種の小型化が起こればその数は増え、数が減れば大型化すると言われるため、カレイに比べればキスの絶対数自体はそう大きく減少していないのかもしれません。
釣れない原因は特定できませんので、これ以上考えてもきりがないですね。
少々面倒くさい話で御免なさいね(笑)
そこまで考える僕が変わっているのかな?
どこかで大型シロギスの復活を願う投げ師の悩みのお話でした。
最終投稿日 2018年5月19日 21:36